「あのお面が欲しかったの
v」
「お面!?……な、なんや、自分。そういう趣味やったんか……。
まあ、ガキ臭い気もするけど、お祭りやしな。ご要望とあらば……。」
・・・
「ほうれ、買うてきたで、お姫さま
v
ちゃんご指名のカワイイ”ドクロクマ”ちゃんやで
v」
てゆうか、自分、こういうんが好きなんか?
少しは買うてくる身ぃにもなってくれや、めちゃめちゃ恥ずかしかったっちゅうねん!
ああ、さよか……懐かしいってか……。
そんな子供の頃のことより、羞恥心を思い出して欲しいわ……あ、いやこっちの話。
せやけど、まあ、自分が楽しいのなら……それでエエわ。
うん。そう思うことにしよ。
とにかく、今日は花火や!花火を楽しまな!!
・・・
「よっしゃ、そろそろ始まんで。なんや、ワクワクすんなぁ。」
ドーン!パラパラパラ……。
「お、あがったなぁ!……いやー、キレイなもんやなぁ……。
日本の夏はこうでないとな!
花火見てたら、なんやこう、夏を満喫してるっちゅう気がせえへんか?
なあ、
ちゃん……うっ……。」
ま、まだかぶっとったんかいな……ひとがロマンチリクルな気分になっとるというのに、自分はドクロクマちゃんかいな!
暗闇にドクロクマやなんて、心臓に悪いわ……。
ヒュー……ドドーン!……。
…………。
ドーン!ドドーン!……。
「なあ、
ちゃん。……自分、オレと一緒におって……楽しいか?」
(こうして夏の夜はふけていった・・・)
<END>