「お、自分、今帰りか?」
「あ、姫条君。よかったら一緒に帰らない?」
「おお、えーで。実は、俺も自分の事待っとったんや。」
「え、そうなの?あ、そういえば姫条君。」
「なんや?こんなところで愛の告白ですか?」
「あはは、何言ってるの。そうじゃなくて、バイトどうだった?」
「なんや、その話かい。……もう、面接バッチリやったで!」
「よかったね。それじゃあ、採用されたんだね。」
「おう、水曜と金曜がバイトのローテーションや。」
「おめでとう。たしかスタリオン石油だったよね?」
「そうや。自分、よう知ってんな。」
「あそこの制服、カッコいいなって思ってたんだ。」
「せやろ!ま、この姫条まどかが着たら、さらに男前アップっちゅーもんや。」
(うわー、姫条君ってすっごい自信過剰なのかも。)
「あ、今自分、心の中で変な事考えたやろ。」
「え!そ、そんな事ないよ。」
「まあ、その気持ちもわからんではないけどな。」
「その気持ちって、いったいなんの事なの?」
「いや〜、次のデートの時に、あの制服着て来てほしいんやろ!」
(関西の人って、みんなこのノリなのかな?)
「と、まー冗談はこの辺にしておいて、ちょっと、相談があったんやけど。」
「そういえば、わたしを待ってたんだよね?」
「ああ、そうや。自分と茶シバキに行こうと思てな。」
「ちゃーしばき?どういう意味なの?」
「ああ、喫茶店にでも行けへんか?っちゅーこっちゃ。」
「姫条君、おごってくれるんだ。うれしいな。」
「よっしゃ!ほな行こか。」
(ちゃーしばきに行くんだもんね。)
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